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……お婆さま。明葉は意を決すると、大蛇殺を口に含んだ。そのまま魔夢の足もとに膝まづくと、下着から溢れだした大蛇を両手で捕まえた。……大丈夫、唾液を絡めれば少しは滑りが良くなるはずよ。
明葉は毒の出口に舌をつけると、ひと思いに蛇をくわえた。それから必死に舌を使い、小さくなぁれ、小さくなぁれと、念じ続けた。
「ふ~ん……」
魔夢が鼻から声を漏らした。明葉は口を離さなかった。ただひたすら、これは学園を堕落させないために、必要なことなのよ……。そう心で叫びながら、口のなかの輪を蛇のえらに滑り込ませることに成功した。
「もう少し……」
明葉は金の輪を唇で押さえ込むと、鎌首を必死にしごきあげ、力づくで蛇の根もとに大蛇殺をねじ込んだ。
「は~ん……」
明葉の手の動きと同調するように魔夢は虜に落ちたような声をあげた。明葉は体の芯がスカートの下に隠れた白い布を汚したことがはっきりと解った。……まだまだ修行が足りない。だがこれで仕事が終わったわけではない。
魔夢は大蛇の違和感に目を覚ました。根もとに巻き付いた金の輪を、手を前後に動かし抜き取ろうとした。
「ん、何これ……?」
明葉はその手つきが許せなかった。
「け、汚らわしい! 大蛇印、蛇殺し! 呪、呪、呪、呪、呪、呪、呪、呪、呪……」
明葉は宙に印を切ると梅花に習った大蛇印発動の呪文を唱えた。
「あ~~~~~~~~っ」
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