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照美はカーテンの隙間から顔だけを覗かせる明葉を怪訝な顔で見つめた。魔夢は明葉を後ろから抱きしめた。異物がお尻に当たり、明葉の顔が赤くなる。
「愛し合った記念に、私がイジメを解決してあげましょうか?」
「その前に私から離れてくれない」
「熱いのは明葉の欲望の象徴、忘れないで……」
夢魔の言葉責めに頬を染める明葉の様子を、照美は不思議そうな顔で眺めることしかできなかった。
「やめてよ。離してよ」
「抵抗すんなよ」
「おら、言うこと聞けよ」
教員駐車場に向かう校舎の死角で、小柄な水野翔太が、不良少年の大場と金森に抱えられ、はいたズボンを脱がされていた。その様子を木刀を抱えた市川が嬉しそうに眺めている。
「へへへ、お前がフリチンで学校を歩き回ったら許してやるよ」
そこへ渡り廊下のほうから、照美に案内された魔夢と明葉がやってきた。明葉はクラス委員長らしく、毅然とした態度で声をあげた。
「あなたたち、なにやっているのよ!」
「あぁ~ん。委員長が何様気取りだよ。俺たちの暇つぶしに文句があんのか。あ~ん!」
市川が手に持った木刀を振り回した。
「危ない!」
照美が叫んだ刹那、明葉の頭を狙った木刀の一撃を魔夢が片手で受け止めた。
「なんだ。妖魔のたぐいに頭を乗っ取られたのかと思ったけどただの雑魚ね」
「てめぇなに余裕かましているんだ?」
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