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「情けないやつ、照美ちゃん保健室まで連れて行ってあげて」
「あ、うん。あんたたち、ちょっと手伝いなさいよ」
「あ、あぁ……」
照美は大場と金森に市川を抱えさせると、校舎の方へ消えて行った。
「穴兄弟にならなくて良かったわね」
「あ、穴兄弟……?」
魔夢に声を掛けられ我に返った明葉は、お尻を隠して赤面をした。魔夢は明葉に微笑むと、腰を抜かした翔太を立たせ、ズボンの汚れをはらってあげた。
「あ、ありごとう……」
「君、名前は?」
「水野翔太、十六歳です……」
それは一目惚れをした少年の眼差しだった。
魔夢は舌で唇を濡らすと翔太の唇を奪った。それは長い長い口づけだった。そして、魔夢は翔太の唇を離すと、明葉に言った。
「どうして私が、人間の世界にやってきたか教えてあげるわ……」
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