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隣の公園は、小さな交差点を渡ってすぐのところだ。
さほど広くない敷地内にブランコや滑り台といった遊具がいくつかあり、周囲にはぐるりと桜が植えられている。ニュースで聞いたとおりちょうど満開で、薄紅色の花びらが春風にのってひらひらと舞っていた。
正面から中に入り、はしゃぐ子供たちを横目で見ながら隅のほうへ足を進める。桜のほのかな甘さや、草花の青くささ、わずかに湿った土など、春を感じさせる雑多な匂いがふわりと漂ってきた。
しかしながら気を取られているわけにはいかない。とっさにハルナを公園に誘ったものの何も考えていなかった。いまごろになってどうしたらいいのかと思案しながら、緩やかに足を止める。
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