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「舞、いい人いないの?」
やはり来た、その質問。私は濁すつもりだったが、救世主が現れた。
「ご注文の料理お持ちしました。此方、サーロイン牛のステーキです。鉄板熱くなっておりますので、お気をつけ下さい。此方ソースです。お召し上がりの際にどうぞ」
朝からスムージーしか飲んでいなかった私は、ステーキが運ばれてくるなり、唾が口内に溢れた。
「美味しそう!」
美波は運ばれてきたご馳走に目を輝かせた。
「だね。久しぶりかもステーキなんて」
私達がご馳走にワクワクしていると、店員さんはご注文は以上でお揃いですか?と言って去って行った。
「ランチで贅沢するのってちょっと勇気いるよね。まぁ、また暫く会えないかも知れないし、今日はいいじゃない?」
暫くは食事に集中したいと思ってまずは食べる準備をした。
だが、それを見透かしたように美波は問い詰めてきた。
「で、どうなの?」
「今はいないよ、仕事楽しいしね」
「そっか、また見つかるといいね」
ノンアルコールのシャンパンを含むと首だけ頷いておいた。
美波もこの話題はタブーと察したか、それ以上は聞いて来なかった。
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