再会

17/23
前へ
/96ページ
次へ
「舞、いい人いないの?」 やはり来た、その質問。私は濁すつもりだったが、救世主が現れた。 「ご注文の料理お持ちしました。此方、サーロイン牛のステーキです。鉄板熱くなっておりますので、お気をつけ下さい。此方ソースです。お召し上がりの際にどうぞ」 朝からスムージーしか飲んでいなかった私は、ステーキが運ばれてくるなり、唾が口内に溢れた。 「美味しそう!」 美波は運ばれてきたご馳走に目を輝かせた。 「だね。久しぶりかもステーキなんて」 私達がご馳走にワクワクしていると、店員さんはご注文は以上でお揃いですか?と言って去って行った。 「ランチで贅沢するのってちょっと勇気いるよね。まぁ、また暫く会えないかも知れないし、今日はいいじゃない?」 暫くは食事に集中したいと思ってまずは食べる準備をした。 だが、それを見透かしたように美波は問い詰めてきた。 「で、どうなの?」 「今はいないよ、仕事楽しいしね」 「そっか、また見つかるといいね」 ノンアルコールのシャンパンを含むと首だけ頷いておいた。 美波もこの話題はタブーと察したか、それ以上は聞いて来なかった。
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!

232人が本棚に入れています
本棚に追加