幸せの形

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週末。今日は土曜日だった。 悠哉さんとは、あの日以来連絡が取れない。目覚めると私はベッドの上で、おそらく悠哉さんが寝かせてくれたんだと思う。 きっと悠哉さんのことだから、あの日何もせずに帰ったんだろう。 玄関の鍵ポストに入れといた。 とメッセージだけ届いていた。 地下鉄を上がり、会場に向かう。 天気は良好。将にフェスタ日和といった具合に太陽がキラキラとしていた。 ブライダルフェスタは年に2回。 夏と冬開催される我が社の一大イベントだった。今年で15年になるらしいフェスタは、今やマスコミ関係にも大々的に取り上げて貰えるようになっていた。 私が勤める会社は、ブライダル事業を中心にフェスタやイベントへの斡旋や仲介をしていた。そこで、私はブライダルアドバイザーとして勤続して7年。 現在部署のマネージャーに就任2年目。 契約から昇進試験受けて、正社員として本採用され漸くこの地位を築いた。 キャリアウーマン、そう言われると聞こえはいいけど、自分ではまだOLのつもり。 少しだけ他より給料が良かったのと、華やかなブライダルのイメージが、学生時代この業界を目指したきっかけだった。 今じゃ、すっかり憧れの対象にされてるらしいって、散々有紗から聞かされているけど。 実態知ったら、ドン引かれるだろうな 「おはようございます廣田さん」 「お早う」 「今日のメインステージの進行、水野さんだったんですけど、病欠で和田さんに変更でお願いします」 イベントでは何かしらトラブルは付き物だけど、まさか進行が病欠とは… 天気は良くても、私は運良くなさそうだな。
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