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「何言ってるの?明日もフェスタよ」
「だからだよ」
返す言葉もなかった。
「俺、今日出張手当て出てるから、食事くらいはご馳走するから、ね?」
ホテル代わりに元カノの家使うなんて、とんでもない男だな。
でも、念押しの上目遣いに、抵抗出来なかった。
唇が渇くのを感じる。
でも、不倫なんて余りに心許ない。
受け入れると、ちょっとだけまだ自分も捨てたもんじゃないかもなんて…
「じゃあ、2日間大変ですけど、先ずは一日目お互い頑張りましょう。宜しくお願いしますよ、廣田マネージャー」
自分を振った男になんて今更ときめかない。
結婚だって本当は…。
彼の小さくなる姿を見送りながら、ふと我に返った。
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