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でもね、結婚を考えようと真剣に向き合った時期、相手はそうでもなかったみたい。
自分の仕事や、趣味、大人同士の付き合いなんかに忙しいみたいで、私との将来よりも優先するものがあったんだろうなって今は思う。
それにさ、男なんて口約束ばっかりだよ?
奥さんいたって、平然と不倫相手の家で電話とれる?
なんていうか、うまいこと乗せられて、相手に期待し過ぎたら人生棒に振っちゃうもの。
だから、私はちゃんと形にしてあげたいの。
幸せって形にしないんじゃ価値なんてあるの?
私はそう思って、今はキャリアウーマンと呼ばれようが、仕事に誇り持ってんのよ!
はぁ…
そうは思うものの、やっぱりイライラは消えなかった。
でも、こんな時に少しだけ落ち着く方法がある。
私はじっと両手の爪先を見つめた。
悠哉さんのしてくれたネイル。基本はうすピンクのフレンチネイルだけど、左の薬指だけベージュベースにピンクを掛け合わせたチェック柄で、小指は白レースのライン。
仕事を頑張れるのは、どんな男性からの慰めや励ましよりも、このネイルだった。
だから、不倫に罪悪感なんてあまりない。
そう思うと、私は幸せは雰囲気だけ楽しめれば充分だった。
少なくとも今はまだ
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