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「結婚式を毛嫌いされる方、非常に多いです。何も貴方が特殊なわけじゃありません」
「だから?貴方は、俺とこいつが結婚しようと、幸せだろうと関係ないでしょ?なのに、何故わざわざわ式なんて勧めるわけ?」
あーあ、やっぱり分かってない。
私達は彼女が困り顔であわあわするのをよそについ、議論をヒートアップさせてしまっていた。
「私達は貴方方の幸せを考えてるわけじゃありません。ただ、結婚という幸せについて考える時間をお客様に提供出来ればと思うだけです」
「って、言いながら大金巻き上げるじゃん?結局は金のために幸せ利用した商売ですよね?」
「そう思われてる貴方は随分敷居の高い結婚式をお望みようですが、ご予算おいくらで考えておられますか?」
「予算?300~400万くらいするんじゃないの?」
随分アバウトな試算ね。
「勿論、そういうお式もあります。ですが、現在は結婚式とはいえ、御祝儀制ばかりでもありません。通り一辺倒の生き方が多様化したように、式も多様化してるんです」
相手は何も言い返して来なかった。
「もういいよ、修ちゃん。すみませんご迷惑お掛けして」
彼女の方が男性の肩を掴むと、私から離れてその場を去ろうとした。その時だった。彼女を振り切るようにして彼は私に尋ねて来た。
「予算100万でも、式って挙げれるんですか?」
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