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翌週木曜日。
私は横浜駅の老舗百貨店の食品フロアにいた。所狭しに並べられたり、山積みにされた煌びやかな衣装をまとったチョコレート達。
それを物色しているのは殆ど女性だった。
もうすぐ5時。そろそろ待ち合わせの時間。ここからホテルは遠くはないけど、もうあまり選んでる余裕はない。
バレンタインには早いけど、ワイン好きの彼にちょっと添えるにはチョコレートかな、なんて。
メイク直しにトイレに寄って、待ち合わせのホテルに向かう。
黒いスウェード素材のヒールは思ったより履き心地が良いものの、歩き慣れるには時間が掛かった。
胸元にはバラのレース刺繍が施されたブラウス生地とタイトな張り感のある異素材を掛け合わせた膝丈のグレーのワンピース。
今年買ったばかりのベージュのコートを羽織ってピンクのショールを引っ掛けてきた。
今日の夜は雪の予報が出ていたけど、ホテルのロビーで待っていると、少し暑くなって来た。
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