White snow

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時間5分前、ロビーのラウンジに腰掛けて待っていると、彼がやって来た。 「舞」 私は名前を呼ばれて思わず立ち上がった。 元気そうな顔が見れて安心したからだった。 「手はもう大丈夫?」 「あぁ」 崇さんはそう笑顔で答えると、左手を差し出した。 こんな日にスーツ着てくることないのにと思っていると、ネクタイは以前私がプレゼントしたものだった。 「似合ってる」 耳元でそう囁かれて、思わず体の熱が上がる。 「まだ、持ってたのね」 「お気に入りは捨てない」 こういうやりとり懐かしい。 そう言えば、付き合ってた時からデートの時はいつもエスコートして貰ってたな。 あぁ、居心地いいと騙されそうになる、自身の想いに。
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