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「お前にとって、俺がなんだったか考えたことある?いや、どの女にとっても、そうかも知れないけど」
「どういうこと?」
私が崇さんに尋ね返すと、彼は私を抱き寄せ頭を撫でながら耳元で囁いた。
「保険」
私は否定しようと唇を震わせたが、彼はそっと人差し指の腹で、私の唇を抑えた。
「証明出来るの、それ以上の存在だって」
冷たい響きだった。氷のように肌を突き刺す視線と、気付いた時には外されていたブラのホック。
「エリートの宿命かな?俺に尽くすより、肩書きにひれ伏されるのは。抱いて満足出来た女なんて一人もいないよ。
でも、そう思うとお前は俺に尽くす素ぶりは見せても、好き勝手やってたなって」
結い上げていた髪止めをとると、パサリと髪が肩にかかる。
「俺、あの日自然に身体動いたんだよね。舞死なせたくないって。
あぁ、愛してるんだろうなって確信したよ」
今まで見た事なかった。崇さんだけじゃない、男の人ってこんな表情するんだって。
ぎゅっと抱きしめるようにして腰を突き上げられると、今にもはち切れそうな愛が当たった。
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