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「エリート家庭も大変ね」
「ねぇ。でも、私が働きたいなら、都心離れてこっちに近い場所に住んでもいいって」
「何それ?イクメンやるってこと」
「家の実家の近くに住むのは構わないって。うち多少都心よりではあるしね。 この歳まで好き勝手やったから、実家も諦めてるだろうって」
テーブルの対面にいた有紗は急に立ち上がると、私の両肩を掴んだ。
「舞!おめでとう、もうそんないい男絶対現れない。不倫男となんてさっさと忘れて、妊活励め!!」
「あはは」
結婚ってそんな簡単に決めていいんだろうか?
「不倫なんてね、一番報われない恋愛もうしてる場合じゃない」
「それ、崇さんにも言われたよ」
「当たり前だよ。不倫男なんてアラサー独身の大敵だよ」
「大敵ねぇ。でも悠哉さんとは身体の関係ないしな、まだ」
「それ、不倫?」
有紗は不思議そうに首を傾げた。
私は思った。結局悠哉さんと私の関係ってなんなんだろう?
悠哉さんってどういうつもりでいるのかな?もう、このまま連絡取れなくなったら、そのままお終いな気もする。
「舞、こういうのは経験者に聞いてみれば?」
「経験者?」
有紗は立ち上がると、そっとその名を耳打ちしてきた。
はぁ…あの子経験者だったんだ。
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