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「私の場合はね、知らなかったんだよ。相手既婚だって。だから、気付いてお別れって感じだったけど。
相手も私も人恋しさから始めた感じで、大して一緒にいる理由なんてなかったの。
でも、いると落ち着くっていうか。まぁ最後は圭ちゃんにバレて、私も泣いて謝って、それでプロポーズ受けた翌月には、四季妊娠してたな」
やっぱり理由はないのか。人恋しくて…。
私もそうかもな。
「あまり思い詰めるより、徐々に距離置いたら。私の場合は、向こうに会えないって伝えたら凄い執着されて、それもあって一気に冷めた。不倫はそんなもんだよ。
だって大事な人とはしないよ普通」
大事な人とはしない。
私はハッとさせられた。
家で奥さんと平然と電話しちゃう悠哉さん。さらっと好きとか言える神経。
何も考えてないからなのか…
「うーん。でも舞の元カレもさ、ちょっと信用ならないよね」
志帆はお菓子の包み紙を開きながら、続けた。
「その人さ、エリートか何か知らないけど、優しそうに見えて結局舞より自分の保身と焦りから結婚迫ってるように思う。
確かに、そんな結婚あってもいいと思うし、子供も悪くないよ。でも、結婚は子供だけじゃないし、誰を幸せにしたいかって部分見失うと互いね関係色褪せるよね」
私は黙ってコーヒーを飲みながら、志帆の話に耳を傾けた。
誰を幸せにしたいか…
重要だけど忘れやすい部分なのかも。
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