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「私、悠哉さんがいないとダメなんです。どんな幸せもあなたといる時間には敵わないんです」
悠哉さんは口元を抑えると堪えていた。
「抱きしめて」
私はさらに迫った。
悠哉さんは、焦れったい位の熱い眼差しで私を見ていたが、触れるのはまだ躊躇っているようだった。
「早く、触れてください」
私はじっと目をつむって待った。
すると、悠哉さんの口から思わぬ言葉が飛び出てきた。
「あのさぁ、俺今日離婚成立したんだよね」
「えっ?」
私は思わず、耳を疑うような言葉に目を開けた。
「舞ちゃん、プロポーズ貰ってるってお店で聞いてたしさ、もう会っちゃいけないんじゃないかと思って」
また、有紗勝手なことを!!
私が苛立っていると、悠哉さんはたしなめるようにこう告げた。
「サプライズしようと思って、店舗の人に協力して貰えたらって舞ちゃんが休みの日に訪ねたんだ。
そしたら、お友達かな?良い人がいるから、これ以上邪魔しないであげて欲しいってはっきり言われた」
「余計な事を…」
「幸せになって欲しかったんだよ、彼女は悪くない」
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