本命

27/29
前へ
/96ページ
次へ
「もう、逃げられないよ。簡単に離す気ないし。俺、舞ちゃん客だった時から本当は好きだったんだ」 悠哉さん、そうだったんだ。 「だから、嘘みたいだ。こんなことしてるなんて」 そう言った悠哉さんの右手は、震えながらも私のピンクの頂きを弾いていた。 「腕大丈夫ですか?」 「大丈夫だよ」 気になりリストバンドの上にそっと右手を重ねると、彼は頷いてくれた。 しんとした部屋に響く、唇の触れ合う音。 座って対面で抱き合うように、愛しあっていると、私の下腹に悠哉さんの欲望がぶつかった。 私も彼のが肌に擦れる度、ショーツの中が疼いていた。 そして、ついにそれに気付いた悠哉さんは、ゆっくりとお尻のラインに手を這わせてショーツに侵入させて来た。 押し倒されるようにして、寝かされた。それから、彼はハープでも奏でるかのように、繊細な指先で私を快感の海へと誘った。 指先だけでイキそう…。 「感じてる、舞ちゃん可愛い。我慢しないでいいよ」 「そんなこと言っちゃ、ダメです」 「やだ、舞ちゃん可愛いすぎる。もっと苛めたいな」 そんな意地悪な言葉で、好きな人に責められるのは、ご褒美でしかない。 そう思いながら、悠哉さんが舌や指先、そして本懐を使って与える甘い刺激に、私はベット上で酔いしれた。
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!

229人が本棚に入れています
本棚に追加