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「ご馳走さまでした!」
ユキは手を合わせて頭を下げ、サクは使い終わった食器をシンクに運んだ。サクは、皿や茶碗を手早く洗い、ユキは冷蔵庫から牛乳を取り出して飲み始める。
「やっぱり、夜は牛乳だよね」
牛乳を飲み干したユキは、手の甲で口元を拭った。それから、大きく欠伸をすると、背中を丸めてテーブルに伏した。
「寝るなら、ちゃんとベッドでね。そこで寝たら、起きた時に辛いよ?」
言いながら、サクは空になった牛乳パックを掴んで振った。そして、その感覚で中身の無いことを確認してから、パックを何度か水で漱いだ。
「食休みだよ、サクちゃん。女子たるもの、毛繕いをしっかりしてからじゃなきゃ、眠りません眠れません」
ユキは、言いながらも体を起こさず、腕を頭の方向に伸ばして手を広げた。
「だけど、食べて直ぐは動きたくないし、サクちゃんと一緒にやりたいし」
ユキは、紙パックを開き始めたサクの方に顔を向け、目を細めながら反応を待った。
「そかそか。じゃあ、一緒に毛繕いしよう。着替え、持っておいで?」
それを聞いたユキは立ち上がり、嬉しそうに部屋を出た。その後、サクも退室し、着替えやタオルの入った籠を持って戻った。
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