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「あ、しまった。先に歯を磨いとくんだった」
ユキは、そう言葉を漏らすと、左手で口元を押さえた。
「私、歯を磨くのが下手で汚しちゃうから。なるべく、顔を洗う前に済ませたいんだ」
ユキは恥ずかしそうに笑い、サクはにこやかに微笑んでみせた。
「でも、お風呂上がりの牛乳って美味しいよ?」
サクは言ってから片目を瞑り、顎に手を当てて話し続けた。
「今なら、給食のお楽しみ、ミルクメイク……なんと、コーヒーだけでなく、バナナやイチゴ、メロンにミカンまでストックがある。そして、牛乳を吸うと味が付く不思議なストローも、チョコにバナナにイチゴにキウイ。手に入る味は、全て入手済み、なんだな」
サクの話を聞いたユキは目を輝かせ、喉を鳴らした。
「お風呂上がりの牛乳、幸せだよねぇ。幸せ牛乳を飲んでから歯を磨く! ちょっとの汚れなんて、直ぐに流せば気にならないっ!」
ユキはサクの手を掴むと、廊下を先導しながら調理場へ向かった。そこで、サクが様々な味のミルクメイクやストローを取り出し、ユキは頬を赤らめながら味を選び始めた。
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