アホに愛されて困ってる

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それからおよそ1週間後。あれから大学でも俺は涼先輩に顔を合わせるようなことは無かった。今まではずっと先輩に付き合いっぱなしの俺だったがたまにこうしてひとりで過ごすというのも何だかいいものだなと感じている。 そんなある日の昼のことである。俺は大学に備えられている食堂で昼食をとっていると俺の目の前に一人の青年が現れた。そう、俺に先輩以外で初めて話しかけてくれたいつぞやの青年である。 「あなたはいつぞやの……!」 「いつぞやってなんだよ」 彼は可笑しそうに笑うが俺にとってはそれはもう嬉しいことで目から水溶液が出るのをこらえるのに必死だ。ごめん、ちょっと盛った。 「そーいや、自己紹介していなかったっけか?俺は佐藤 司(サトウ ツカサ)」 「俺は」 名前を言いかけたところで佐藤は知ってる知ってるなどと言ってきた。何故だろう 「だってお前佐々木先輩に付きまとわれてるんだもの」 「そりゃそうだが、それが何か……」 「佐々木先輩、好きな人とか気に入った人にはほかの人排除してまでずっと付きまとうの。お前もそうだったろ?」 どうやら涼先輩のあのメンヘラ?ヤンデレ?ぶりは俺が初めてではなかったらしい。そこで俺は考えてしまった。もしかして今まであの先輩の彼女とか好きだった人全員にあのやばいのをしてたのかあの人は…… 「おまけにいつかは忘れたけど何年か前、それで警察ごとにまで巻き込まれてるらしい。」 いやいやそりゃなるだろ…… 監禁した上に合意もなく犯そうとしてんだから…… 俺は悲しいのか呆れたのかもうよくわからない顔で笑っていたという…… まあ、何はともあれよかった!大学に入学して先輩以外の初めての友達ができたぞ。あぁもうこれからが楽しそうだ! そう、心の中で感極まってる俺の姿を涼先輩が今にも人を殺しそうなオーラと目線で睨みつけてたことなんて俺は知らなかった。
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