第四話

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   不意に、脇に置いていたスマートフォンが震えた。  それを手に取ろうとして、ふと手を止める。  ――“都合がついたら連絡くれ”  分かっている。翔にはそう伝えていた。翔からの電話だろう。店内の掛け時計を見ると、十八時過ぎだった。予定より早い。少し早く作業が終わったのかもしれない。  分かっているのに、俺は期待してしまう。  先程ギャラリーで書いた記帳ノート。そこに、俺の電話番号を記しておいた。どうしても期待してしまうのだ。彼女のメールアドレスはDMに書いてあったが、俺から連絡するのは憚られた。  彼女からの連絡を待っている自分がいる。  ……馬鹿だな。  そう思っても、願わずにはいられない。  夜空に輝く星たちを見つめながら、俺はそっとスマートフォンに手を触れた。  
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