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「佐藤くんっ来たよ!」
放課後は毎日、私は美術室へと通う。もちろん今日もだ。ホームルームは私のクラスは基本的に長引く。担任が話好きだから。
そんな話より、佐藤くんと話したい。私は恨めしそうに担任を睨み付けていたが
話が終わり、ホームルームが終わるや否や鞄を持ち友達に挨拶を済ませて走る。これが私の日常。
息を切らせて美術室へと走り込む。中にいた彼に笑みを浮かべると
「…寧ろ来るなと言ってるだろう…君は俺の話をちゃんと…」
「わぁ…!新しい絵だ!綺麗…。…ねぇねぇ見てもいい?」
「だから俺の話を…」
「……ダメ?」
じっと彼の目を私は見つめる。こうして見つめ合うだけで本当はドキドキしている。
でも彼の絵も見たい。その欲求が私を大胆にさせる。
「……なんで君はそこまで俺の絵を見たがるんだ?」
彼は私から目を反らしながらそう尋ねる。
「だって私、佐藤くんの絵大好きだもん!優しくてね…見ててほんわかするの」
私は彼の絵が彼と同じくらい大好き。絵の良し悪しなんてわからないけど理屈抜きで彼の絵が好きなのだ。
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