佐藤くんはツンデレ男子

放課後はいつも美術室へ

「……佐藤くん…照れてるの？」

じっと私は佐藤くんを見つめる。私と視線を合わせようとしない彼の前方へと移動して顔を覗き込む。

「君は趣味が悪いな…」

頬を赤くしながら彼は私を睨み付ける。その表情は嫌悪感たっぷりに蔑んだ冷たい氷のようなものとは明らかに違い何だか可愛らしく見える。

「佐藤くんは可愛いね」

それが何だか微笑ましくなり、私は笑う。

「それは男に使う言葉じゃないだろう…君は僕を馬鹿にしてるのか？」

「し、してないよ！」

彼の瞳に若干冷たい色が宿りそうになったので私は彼の言葉を否定するように、ぶんぶんと首を横に振る。