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「私達、年越しの瞬間、地球にいなかったよー!」 年賀メッセと供に、宇宙船の窓の前で地球を挟んでピースサインをする両親の写真が送られて来た。地球にいなかった、というのは両親のさらに祖父母くらいの年代で流行ったジョークだ。12月31日の年が変わる瞬間にジャンプして、『私達、さっき実質地球から浮いていたねー!』などと言って笑っていたそうだ。宇宙開発が進んだ今ではなんとも考えにくい冗談であり、現に私も出張先の火星で1人まったりと年越しを過ごしているので、「私だって地球にいなかったよ笑」と返信しておいた。 ごぉ~~~~ん 「地球かぁ...」呟きながら、1ヶ月前まで住んでいた星のことを思い出した。人工ではない日光や海、住んでた家、友達、等のことはよく覚えてる。そして、2ヶ月前に私を振った奴のことも。火星は地球と比べて全体的に無機質で、たいした観光名所もなく、来て1週間で飽きた。早く地球に帰りたい今日この頃である。 ごぉ~~~~ん     
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