1.「俺さ、お前のこと好きなんだよね」

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*** 家に帰ってスーツのままドサッとベッドに倒れる。 ──好き 久しく口にしなかった言葉。 いつぶりだろうか。 今まで女とは付き合ったことがある。 告白をされたこともあるし、自分から告白したことも多分だけどある。 俺の過ごしてきた青春は、そんくらい薄っぺらくて、味気なかった。 それにしても、 土田は今まで、俺のことをそういう意味で見ていたんだろうか。俺がただの同僚と思っている間、土田は... ──う、わ。 認識して、急に恥ずかしくなる。 なんでこんなこと、っていう苛立ちとか、気持ち悪いとかじゃなくて。 なんか、ああやって、告白されたことに。 なんで俺...あんな真面目に聞いていられたんだろう。 今更ドキドキしてきた。 土田は、ドキドキしたんだろうか。 告白するって、決めてたのか? そんなことを考え始めたら止まらなそうな感じがして、そのまま風呂に入って寝た。
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