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(プロローグ)
俺の人生に、夢を持つ権利は無かった。
親父は、三谷コーポレーション代表取締役社長。具体的に、何の仕事をしてるかは知らない。
しかし、この辺りのビルは全て親父の企業グループのものだと聞かされた。
幼い頃から、親父から
「お前は、くだらない夢など持つな。
くだらない恋などするな。
お前には、将来が既に決まっているのだ。
お前は、三谷コーポレーションの次期代表取締役だ。
そして、お前はいつもお世話になってもらっている谷口硝子繊維株式会社のご令嬢である明子さんとの婚約が生まれた時から決まっているのだ。
うちの会社がピンチだった時、
谷口様に融資をしてもらったから、此処までなんとか事業を無事拡大出来たのだ・・。
谷口様のご令嬢とお前は20歳になったら結婚すると決まっている。
それまで、くだらぬ恋路は許さない。
くだらぬ趣味なんてものも持つな。
いつも、カメラ弄りばかりしてないで勉強しなさい。
お前が、この世に生を受けたのは。
全ては、三谷コーポレーションの為なのだ。」
小さい頃から、お前いいなって羨ましがられた。将来は時期社長だなって。
ちっとも俺は嬉しくなんてなかった。
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