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こたつと床暖房は共存しない
リビングに行くとアイツが小さな正方形のこたつに入り、こたつ布団を肩まで引き上げ、膝の上のノルウェージャンフォレストキャットのハナの立派な尻尾をふにふにと撫でていた。
「大晦日だっていうのに、どこに行くの?」
俺はその声を無視して玄関に向かう。
「……」
「帰ったら成績表、見せなさいよ」
「……」
「何とか言ったらどうなの。あんたもシツコイわね。執念深い男はもてないわよ。ねえ、ハ~ナ~」
ふみぃ、とハナが一声鳴いた。なんだよ、お前もアイツと同意見かよ。
「そのきったねえこたつ捨てろよ。床暖あるんだし」
俺は言い捨てると外に出た。
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