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…………はぁ、疲れた。
全速力で走った。でもここで息を乱していたら不審に思われるかもしれない。
古城兄は私なんかに興味ないかもしれないが(私も興味ないけど)一応念のために呼吸を落ち着かせて。
どうやら先回りは成功したようだ、駅前にはまだ花崎歌も古城兄もいなかった。
私の中の予想だと二人は駅前を通った後、近くの公園でこのイベントの真の目的である和解をするのだろう、なぜそんなことを知っているのかはすべてモブキャラだからで済ます。
私たち一部のモブキャラは割とチートな存在なのだよ。
しばらく待っていると、花崎歌が息を切らしながらも必死に走って私とすれ違って行った。
必死に走る姿もやっぱりどことなく可愛げがあって花を撒き散らしていく、容姿が特別整っているわけではないがなぜあんなにも魅力的なのか、私にはわからない。
「ふぅ」
大体今から約一分後に古城兄がここに来るだろう、私の今日の役目はそこにある。
「よし、来たか」
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