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……ということで現在に至り、花崎歌と古城兄は公園にいる。
草むらって便利だね、私の体をすべて隠してくれる。しかも公園自体が空気を読んだのか二人以外は誰もいないという徹底ぶりだ。
「隼人さん……」
「やっと見つけた、足速い」
「あの、私、本当に見るつもりなくて、偶然で立ち去らなきゃって」
「いやあれは誤解って少し落ち着け、面倒な奴だな」
しどろもどろになっている花崎歌の肩を軽く叩き落ち着かせているようだった。その仕草はどことなく優しいもので、ああこれがイケメンの力なのか。
「ごめんなさい……私、隼人さんがあの女の子と付き合うって考えたら、少し嫉妬しちゃって、でもちゃんと応援しますから安心して」
「だから!誤解!俺はあの女子と付き合わないし、告白されていきなり抱きつかれただけだ!」
「そ、そんな……でも」
「俺が言うのもなんだが、信じてくれ。自分でもなぜこんなに焦ってるのか分からないけどな」
「……私ずっと一人っ子で、お兄ちゃんができたみたいで嬉しかったです。だからとられるって思ったら寂しくて、私もっともっと隼人さんと仲良くなりたいです、だから信じます」
「はぁ……そりゃどうも」
何というか、うん。よかったねとしか言いようがない。
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