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きっと花崎歌の中で色々な考えが頭の中を行き来しているのだろうけど周りから見ればそんなのわからないし、あっさりしすぎな感が否めない。
花崎歌視点から見たこのイベントはゲームで例えるのなら二、三十分ほどかかるのだろうが、私から見たイベントはもう終わりに近いです。
「俺も、いきなり同居とか言われてどう接すればいいか分からなかった。勇人みたいに順応性は高くないしな」
「ふふふ、じゃあ仲直りしてまた仲良くしてください」
ニコニコ笑って花を飛ばす花崎歌に古城兄は微笑んで頷いた。
「ああ、よろしくな……歌」
花崎歌の頭をポンポンと撫でる。
ああそれは!イケメンにだけ許される頭ポンポンじゃあないですか!!
デレた、デレ始めたぞ!古城兄墜落。花崎歌を好きになるのにそう時間はかからないであろう。
……そして、二人は仲良く話しながらご帰宅していった。私は特にバレることもなくずっと草むらの中で過ごしました。
まだまだ暑さが残る季節、そしてまだまだ虫がたくさんいる季節。
「……」
さっきから虫がね、私の周りをブンブン飛んでるわけですよ。虫は苦手じゃないけど嫌気が差してきた、虫と友達になる趣味もないし私ももうそろそろ帰ろう。
そういえば、あの女子高生A……まだ何か起こしそうな雰囲気だった。
聞いてないってことにしたいのはやまやまだけど、まだ古城兄について一悶着あるかもしれない、注意深く見ていないと。
ま、何かあっても極力私は何もしないけどね。
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