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なんかこう、コメントに困るというか……すごく平和だ。これは花崎歌が真面目な性格だからってところにもあるかもしれない。
本当に嫌味を全く感じない周りからしたら無味無臭の薬みたいなもの。
効力は人によって違うから分からないけど、いつの間にか効いていて魅了されて中毒になっていく。
花崎歌を見ていると、ここが本当にゲームの世界なんじゃないかと感じてしまう……そんな馬鹿なことあるはずがないんだけどね。
「次は保健室だな」
「はい」
「保健室を案内するにあたって、ひとつ注意すべきことがある」
「え?」
藍先生はほんの少し悩む素振りをして、真剣な瞳で花崎歌を見る。
あれかなぁ今の花崎歌の心情は、すごく真剣な顔……ちょっとかっこいいかもみたいな感じ?頬が若干紅潮しているし。
誰に対しても気がありすぎじゃあないですかね、いいぞもっとやれ。
「保健室にはサボリ魔が住んでいるんだ」
「そうなんですか……はい?」
「保健の教師は生徒には砂糖菓子のように甘いからな、サボりを許容しているどころかよく話し相手にもなっている」
「あの、話がよく見えないのですが」
「まあそのサボリ魔には気をつけた方がいいってことだ、なぜなら……」
「藍先生、生徒のことをサボリ魔だなんて言っちゃダメですよぉ~」
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