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藍先生の声は花崎歌以上にふにゃふにゃした甘ったるい声でかき消された。
あ、でた……この特徴的な声は保健室の美魔女と呼ばれてる白川アリス先生。
アラサーらしいけどそれを感じさせない若々しい肌、地毛らしい金色の髪は綺麗に巻いてあり、極めつけは碧眼。ついでに胸も大きい。要するに、すごく目立つ。
「……!?」
白川先生は保健室から一歩出て二人を見て優しく微笑んだ。
あらまー、予想通りだけど花崎歌は目を見開いて白川先生を見ている……が数秒後目のやり場に困ったらしく視線を藍先生に移した。
そりゃそうか、私だって目をそらしたくなるもの。
藍先生はこれこれは大きなため息をついて白川先生を軽く睨んだ。
あー……この二人、あんまり仲が良くないことで有名だった気がする。
「ふふふ、あらあら、可愛い子がいるわねー」
「えっ、あの」
「あなたお名前は?わたしは白川アリス、保健室にいるわ。アリス先生って呼んでね」
「は、花崎歌です……よろしくお願いします」
「名前まで可愛いのね~、よろしく」
白川先生の語尾にいちいちハートマークがつきそうなほど甘い、甘い甘い甘い声にたじろぐ花崎歌。
うっかりしてた、危うくこんな重要な人物を忘れるところでした、はい。もう一人、脇役のご登場ですね。
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