149人が本棚に入れています
本棚に追加
銀髪の男子にしては長い髪を軽くかきながらいかにもチャラ男っぽくへらへらと笑いながら保健室から身を出す。
だらしなく全開にしたシャツの下にはよくわからない犬のキャラのTシャツが見え隠れしている、なんだかちょっとださい。
「……あれ、藍先生可愛い女の子連れてるね?」
香坂馨は若干空気になりつつあった主人公に気付き、これまた必殺イケメンスマイルで殺しにかかってきた。くそぅ、認めたくないけど、カッコイイ。
それに対し花崎歌は攻撃を真に受け、別の意味でどんどん頬が赤くなったようだ、顔赤くなってばっかだな今回。
そんなんじゃこの先待ち受けているだろう甘い甘いハッピーエンドに到達した時溶けるんじゃなかろうか。
「お前には関係ないだろう」
「そういえば風の噂で二年生に転校生が来るとか聞いたなぁ、彼女かーこれはなかなか、天使みたいな可愛らしさだね」
「見ない顔だと思ったら、転校生だったのね~」
「ありすちゃん先生なのに知らなかったのかよー。さて、俺はもう一回寝るかな」
「おい待てもう放課後だぞ」
「うーん?知らないな。またね藍先生。天使ちゃん」
返事を与える隙もないまま香坂馨は保健室にまた入っていき扉を閉めた。
さほど今は花崎歌に興味はないようだ。寝なおすのか、そういえば保健室の住民と化してるんだっけ、仮にも受験生なのに。
っていうか天使ってもしかして花崎歌のことか?この学校センスない奴多すぎない?大丈夫?
最初のコメントを投稿しよう!