2.変化

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「同期だから、それなりにはね。二人は?」  名達さんも楽しそうだ。  合コンの時はすごく真面目そうで、合コンに参加するタイプには見えなかったけれど、話してみると気さくで楽しい印象に変わった。 「同期の中では仲いいです。ねっ?」 「うん」 「あれ? でも、年上じゃなったですか?」と、名達さんが私に敬語を使った。 「中途……採用なので……」 「そうなんですか」  料理が運ばれてきて、テーブルがいっぱいになった。  紫苑は私のことを、名達さんに何て話したのかな……。  私は数品を取り皿に乗せて、紫苑の前に置いた。  やっぱり、元カノ……かな。 「先輩?」  名達さんはどう思っただろう……。 「先輩?」 「ちゃんと食べないと、また悪酔いする……よ?」  言ってから、ハッとした。ボーッとしていて、過去と現在を混同していた。  紫苑が不思議そうな顔で私を見ていた。 「あ……ごめ――」 「――いや」  紫苑の目尻が少し下がった。 「ありがとう」  わら……った?  私には、紫苑が微笑んでいるように見えた。 「名達さんは何が好きですか?」と言って、結城さんが取り皿を手に持った。  結城さんと名達さんは意気投合していた。付き合うかはわからないけど、連絡先を交換していた。 「葉山さん、今日は本当にありがとうございました」  店を出ると、結城さんが言った。 「幕田さんも、付き合っていただいてありがとうございました」 「いいえ」 「じゃ、俺は結城さんを送るよ」と名達さんが言った。 「葉山さん、また一緒に飲みましょう」 「はい」  結城さんと名達さんを見送って、私と紫苑は歩き出した。
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