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毎週金曜日……。
「結城さん。朱音の名誉の為にも言っておくけど、先週の金曜日は俺が朱音をマンションまで送って部屋にも上がったし、一昨日の金曜日は朱音は俺の部屋にいたんだ」
「そう……なんですか」
「うん。だから、毎週金曜日に不倫相手に会ってる、っていうのは完全にデマだね」
「そっか……」と、結城さんはホッとしたようにカップに口をつけた。
「なぁ、葉山さんの前の職場ってどこだ?」
黙って聞いていた名達が口を開いた。
「後藤田不動産」
「一流じゃん」
「朱音、かなり成績良かったから」
「あれっ? 後藤田不動産て……」と言って、名達が考え込む。
「そうだ! 影井の姉ちゃんが働いてたはずだ」
「はっ?」
「前に影井が年上の女と歩いてるのを見て問い詰めたら、姉ちゃんだって……。後藤田不動産で建築士してるって聞いた気が……」
俺は即座に影井の番号を呼び出した。
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