第2章 空中飛行

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「ふーん」プリエはフェリスの首に手をまわした。「仕方ないからこうしてあげる。ひ弱なインテリボーイだもんね」 「どーも」 「ユーディは?どうして消えちゃったの?」 「優が目覚めたんだよ。ユーディだけだと、こんな場所には居られないから」 「優…ユーディが守護してる?」 「そう。向こうで生活してる()。ユーディ自身はこっちの住人。けど、ユーディだけだとレベルが高すぎてこんな場所には入れない。優と一緒になる事で、ここに入れてたんだ」 「一緒になる?合体?みたいな?」 「そんな感じ。優があっちへ戻ったからユーディは自動的にふさわしい場所へ戻された」 「ふーん。守護してるって…あ、じゃあ、あたしとフェリスも、合体?みたいな事できるの?」 「え?そんなの無理だよ」 「どうして?」 「どうしてって、普通は無理だから。ユーディのが特殊ケース」 「ふーん 大丈夫?重い?」すごくゆっくりだし、下がってきてるよね? 「んー 重いって言うか、僕、最初から出来る限りでささえてるだけだし。そもそも僕にプリエ抱いて飛ぶなんて出来ると思う?」 「へっ、もういい。降ろして」 「歩くよりは楽だよ。このまま行けるところまで行こ」 「けど、落とされたら嫌だから、早く降ろして」 「けど、落ちても別に平気だよ」 「え?もー不安感半端ないの!早く降ろせ」プリエはフェリスのやわらかい金髪を引っ張った。 「いてっ、わかったよ」僕だってこれ楽じゃないんだけど…下降してても行けるとこまで行ってやろうって思ってたのにさ。  フェリスは不満顔のまま地面に下りてプリエを降ろした。 「じゃあ、歩くよ」 「方向わかってるの?」 「あっち」フェリスは指で示した。「あーもう面倒だな。一人だったらすぐ戻れるのに」フェリスはボソボソとつぶやいて歩き始めた。 「何ぶつぶつ言ってるのー」 「なんでもないよ。ちゃんと付いてきてよ」  見た目はかわいい爽やか金髪少年のくせにさ、頼りないし、なんかちょっと腹立つんだよね…けど、ついていくしかないか…  フェリスは小さく溜息をついた。  考えてる事わかるって言ってんのにさ…「僕さ、一応、プリエをひっぱりあげて助けたよね?」フェリスは振り向きながらそう言って、足を止めた。 「え?まぁ…けど、結局ユーディが助けてくれたんじゃない」  フェリスは口をへの字に曲げたが何も言わずに再び歩きだした。
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