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「ふーん」プリエはフェリスの首に手をまわした。「仕方ないからこうしてあげる。ひ弱なインテリボーイだもんね」
「どーも」
「ユーディは?どうして消えちゃったの?」
「優が目覚めたんだよ。ユーディだけだと、こんな場所には居られないから」
「優…ユーディが守護してる?」
「そう。向こうで生活してる娘。ユーディ自身はこっちの住人。けど、ユーディだけだとレベルが高すぎてこんな場所には入れない。優と一緒になる事で、ここに入れてたんだ」
「一緒になる?合体?みたいな?」
「そんな感じ。優があっちへ戻ったからユーディは自動的にふさわしい場所へ戻された」
「ふーん。守護してるって…あ、じゃあ、あたしとフェリスも、合体?みたいな事できるの?」
「え?そんなの無理だよ」
「どうして?」
「どうしてって、普通は無理だから。ユーディのが特殊ケース」
「ふーん 大丈夫?重い?」すごくゆっくりだし、下がってきてるよね?
「んー 重いって言うか、僕、最初から出来る限りでささえてるだけだし。そもそも僕にプリエ抱いて飛ぶなんて出来ると思う?」
「へっ、もういい。降ろして」
「歩くよりは楽だよ。このまま行けるところまで行こ」
「けど、落とされたら嫌だから、早く降ろして」
「けど、落ちても別に平気だよ」
「え?もー不安感半端ないの!早く降ろせ」プリエはフェリスのやわらかい金髪を引っ張った。
「いてっ、わかったよ」僕だってこれ楽じゃないんだけど…下降してても行けるとこまで行ってやろうって思ってたのにさ。
フェリスは不満顔のまま地面に下りてプリエを降ろした。
「じゃあ、歩くよ」
「方向わかってるの?」
「あっち」フェリスは指で示した。「あーもう面倒だな。一人だったらすぐ戻れるのに」フェリスはボソボソとつぶやいて歩き始めた。
「何ぶつぶつ言ってるのー」
「なんでもないよ。ちゃんと付いてきてよ」
見た目はかわいい爽やか金髪少年のくせにさ、頼りないし、なんかちょっと腹立つんだよね…けど、ついていくしかないか…
フェリスは小さく溜息をついた。
考えてる事わかるって言ってんのにさ…「僕さ、一応、プリエをひっぱりあげて助けたよね?」フェリスは振り向きながらそう言って、足を止めた。
「え?まぁ…けど、結局ユーディが助けてくれたんじゃない」
フェリスは口をへの字に曲げたが何も言わずに再び歩きだした。
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