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ひっぱりあげられた態勢のまま地面に這いつくばっていたプリエは上半身を起こし、息を切らせている少年を見た。やわらかそうな淡い金髪の少年、白いシャツに淡いミントブルーのパンツ姿でさわやかさに溢れている。
羨ましい、お母さんみたいなきれいな金髪…同い年くらい?誰だろこの子…けど、助けてくれたんだよね?
「だ、大丈夫?」プリエが少年に声をかけた。
少年は、顔をあげて、きれいな淡いミントブルーの瞳でプリエを見た。整ったやさしい顔つきをしている。
「プリエこそ、大丈夫?」
この子、どうして、あたしの名前知ってるの?
「僕は君の事、ずっと前から知ってるよ」
え?どういう意味?とういか、話してないのに、会話が成り立ってる?
突然、さきほど、穴が開いていた場所からグレーの腕が這い出してきた。
「きゃっ」プリエは思わず叫んだ。
「あ、もう、引っかかってたのかな。落ちれば良いのにしつこいな。そのしつこさがあるなら自分の事なんとかしろっての」少年はそう言いながら立ち上り、プリエに白い手を伸ばした。「立って、行くよ」
プリエは少年の手を取った。
「走って」少年はプリエの手をひいて走った。
「ここ何?あなた誰?」プリエは手をひかれて走りながら、同じ高さにある少年の横顔に語りかけた。顎のラインの長さの淡い金髪がふんわりと揺れている。
「話は後で」少年は、後ろを気にしている。「くそっ、2人も上がって来ちゃったよ」
「へっ」プリエは後ろをみた。グレーな人たちが2人追いかけてきている。
「プリエ、飛べる?」
「え?飛ぶって何?」
「無理か…だよな…早く走って、追いつかれたら…自信ないから」
え、何の自信?なんか、この子、明らかに焦ってるよね?
「もう、もっと早く走れって」少年は小さく舌打ちした。「追いつかれるじゃないか」そう言って、プリエの手をひっぱった。
「んな事言ったって、これ以上無理! もうっ!」プリエは突然少年の手を振り払った。
「えっ」少年は驚いてプリエを見た。
「だったら一人で逃げれば良いでしょ!あたしも一人で逃げるから」そう啖呵を切ってプリエは一人で走りだした。
「こんな時に何言ってんだよ。方向もわからないくせに。拗ねてる場合じゃ無いんだよ」少年はプリエと並走しながら言った。焦っているのが顔に出まくっている。
プリエは少年を無視して無言で走った。グレーの人たちがすぐそこまで迫って来ている。
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