7人が本棚に入れています
本棚に追加
「ああ。優は事情を話したら快く承諾してくれた。ああ、ごめんね。よくわからない話で」ユーディは、ポカンと口をあけてユーディに釘づけになっているプリエに、目をやった。
プリエは反射的に言い訳するように言った。「か、かっこ良すぎて、見とれてしまってました」
「え、ははっ」
「もう、安心感、半端ないです。この頼りない少年と違って」
少年はプリエを睨んた。「フェリスだよ」
「え?」
「僕の名前」
「ああ、フェリス…あたしプリエ…って知ってるんだよね?そうだ、どうして?」プリエは疑わしそうな目をフェリスに向けた。
「僕は君の…」フェリスは少し躊躇し、目を逸らして言った。「守護者だから」
「は?守護者って何?っていうか、守護できてなかったし」
「もう…そうだけどさ…プリエは、一言多いんだって…いつも言ってるのにさ」フェリスは半分独り言のようにそう言うと溜息をついた。
「いつも言ってる?」プリエは首をかしげた。
「あ、だから…向こうでね。いつもついてるから」
「え?向こうって何?もう、わかるように説明して」プリエはじれったそうにフェリスにつめよった。
「え、と、向こうは肉体を持って生活する場所。プリエは今、向こうで昏睡状態」
へっ?昏睡…?
「階段から落ちたろ?」
プリエはうなずいた。
「で、頭打って、意識が戻らない状態。で、その中途半端な状態で、中身だけこっちに戻ってきてる」
戻る?中身?
「だから、本来こっちがメインなの。あっちは肉体持って生活する場所、向こうで死んだら中身はこっちへ戻ってくる。」フェリスは少し面倒くさそうに説明した。
「あちらで生活している者は、肉体が滅びたら終わりと思っている者が多いけど、肉体が消えてこちらへ戻るだけ。生は永遠だ。」ユーディが補足するように言った。
「生って?」プリエはここぞとばかりにユーディにたずねた。
「意識とでも言えばわかりやすいかな?プリエとしての意識」
プリエはあいまいにうなずいた。「じゃあ、ここ、死後の世界?2人とも幽霊?」
「そうじゃない。ここは霊界。こちらが基本。まず、生がある。こちらには一度も肉体を持ったことのない者も居る。あちらに肉体を持っている者たちや、かつて肉体を持っていた者たちも居る」ユーディは淡々と説明した。
最初のコメントを投稿しよう!