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「あっちで寝てる間にもみんなこっちに戻ってるんだ。覚えてないだけで。優も今、睡眠中。その銀の紐はあっちに体がある人にだけついてる」フェリスが口を開いた。
プリエは自分の銀の紐に目をやった。フェリスとユーディの紐も確認した。
フェリスにはしっぽがついてない。どうして?
「しっぽね…僕はもうとっくに死んでるから。こっちだけの生活。ユーディは今、優と一緒になってるからしっぽがついてるんだ。ユーディだけのときはついてないよ」
ん?まただ。
「どうしてあたしの考えてることわかるの?」プリエは不審そうにフェリスをみた。
「だから、僕、プリエの守護者だから」
「だから、守れてないし」
「もう、しつこいな」
「守護者っていうなら守ってよ」
「僕だって急に任されて困ってるんだから。僕に守れると思う?せいぜい、手引っ張って一緒に逃げるだけだよ。守護者って言ってもそういう意味じゃないし…色々あるんだって」
「うわっ、開き直った。きれいな金髪しちゃってさ、頼りなさすぎ」
「もう…金髪とか関係ないだろ」フェリスは鬱陶しそうな顔をした。
「喧嘩は後にしようか」プリエが更に言い返そうとした瞬間、あきれた様子でユーディが割って入った。
プリエはユーディを見てばつの悪そうな顔をした。
「そもそも守護者って何よ?」確かに喧嘩してる場合じゃない、聞きたいこと、いっぱいある。
「向こうで肉体持って生活している人には必ず守護者がついてる。守護霊っていえば通じる?そんな感じ。ちなみに、ユーディは優の守護者」
「えー、あたしも、ユーディが良かった」
「あ、そ」だから一言多いんだって…とフェリスは心の中でつぶやいた。「心配しなくてもメインの守護者は他にいるから」フェリスは溜息交じりに言った。
「え?他にもいるの?」
「うん。大抵は守護者は一人じゃない。メインになってる人が一人居て、後、複数ついてる」
ふーん。そうなんだ。
「僕はその他大勢の一人にすぎないから、安心して」フェリスはあきらかに卑屈な様子で付け加えた。
「あのグレーな人たち、何ですか?」プリエは遠慮がちにユーディにたずねてみた。
「話は、移動してからにしよう。優がいつまでこちらにいられるかわからない」ユーディは淡々と言った。
「移動って…どこに?」フェリスは少し不安そうな顔をした。
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