第4話 “アレ”が2つ

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風呂に入り、リビングのソファーに座り携帯を弄る。 瞳はアレから俺の部屋から出た気配がない為、正直戻り難い。 「どうしちまったんだよ」 そう呟いて、頭を抑える。 瞳の雰囲気がいつもと違う。 携帯に表示された時間を見れば、9時を過ぎていた。 そろそろ両親が帰ってくる時間だ。 そういや、両親は俺に彼女がいた事を知っているのだろうか。 そう思い、首を横に降る。 いや、それはない。 あの時の俺は確か琴音の事を近所に住むクラスメートと言っていた。 「……近所、そうか琴音の家か」 思い出せないなら直接家に訪ねに行けば早いじゃないか。 ポツリと呟くと、2階で扉が開く音が聞こえる。 どうやら瞳は、漸く自分の部屋に戻った様だな。 何故か瞳は俺が自分の過去を探る事を良く思ってない。 ならば琴音の家に行く事はバレない様にしなくてはならないか。 そう考えると、明日の学校は少しサボる必要がある。 部屋に戻り瞳が居ない事を確認すると、床に座り、木箱の中を見る。 ガラクタだと最初に思っていたそれらは、全て琴音との思い出の品々だった。 手紙や消しゴム、押し花なんかもある。
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