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女の子がゲームをしていても別におかしくない時代。それなら仲のいい友達にゲームを紹介するはずだ。いきなり電話してきて、ゲームを一緒に買いにいく。これは好意があるって思っていいのだろうか。
クラスで女子生徒に人気があるわけじゃない。勉強のことを聞きに来る女子生徒はいたが、人気があるのはスポーツができたり面白い男子生徒であったりする。
地味な存在な光。あまり知らない女子生徒が電話をしてきた。これは成人になる前の男の子にとって、素晴らしい出来事だ。
そして、時間を確認する。十五分前……
公園の入り口に、白いワンピースの女の子が見えた。
あれ、桜宮さん?
まだ時間まで十五分ある。もう、桜宮さんが来た?
遠目でわからないが、その白いワンピースを着た少女はベンチのほうに近づいてきた。
次第にわかる。桜宮であった。
「あ、おはよう。光君」
「お、おはよう」
か、可愛い……
光は思った。瞳がキレイで少し小柄で、愛らしい顔に白い服装が映えていた。
「ごめんね。いきなり電話して」
「いいよ。それでゲームを紹介してくれるんだよね?」
光はこれってデートみたいだなと思った。でも口には出さない。これくらいは心得ていた。
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