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コンクリート壁に挟まれた道を二人は歩いている。道が狭く、車に気をつけながら端を歩いていた。もうすぐ、駅前につく。
「光君がゲーム持ってないって聞いて、誘ってみたくなったの」
「そうなんだ。それでなんて名前のゲームなの?」
「聞いたことあるかな? サンクチュアリクロスってゲームなんだけど」
まったく聞いたことがないタイトルであった。なにかニッチなゲームなのかと光は考えた。
「知らないけど、面白いの?」
「面白いわよ!」
桜宮は拳を握った。その勢いに押される。
「だけど、ここの学園じゃやってる人が少なくてさー」
「ふーん……どんなゲームなの?」
「TCGなんだけど」
「TCG……」
光は考えた。
「トレーディングカードゲームの略」
「ああ」
トレカという奴だ。
それにしても意外であった。てっきり紹介するゲームは、なにかのゲーム機のソフトだと思っていた。
「光君もやってみない?」
「ま、まぁ……やってみるだけなら」
トレカで遊んでいる友達を見たことがある。しかし、女子生徒がカードをゲームやっているというの初めて聞いた。
「TCGにも色々あるけどさ。わたしはサンクチュアリクロスが好きなの。自由に戦略が組みやすくて」
「そ、そうなんだ」
カードゲームどころか普通のゲームすらあまりプレイしたことのない、光にはピンと来なかった。
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