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「デッキの中に同じカードが何枚も入ってるのはなんでかな?」  当たり障りのない質問をしたつもりだった。 「それは手札に呼ぶためよ! 漫画やアニメみたいに一枚しか入ってなかったら、事故るから! サンクチュアリクロスでは同名カードは四枚までで、制限がない限り基本は四積み!」 「そうなんだ……」  なんでこんなに熱いんだろうと思った。 「まず、サンクチュアリクロスの手札は五枚。プレイヤーは1ターンの最初に一度デッキからカードを引けるの。デッキからカードを引くのがドロー」  それぐらいはわかる。 「それで、サーヴァントには属性があってね。炎と水と地と風と光と魔」  ファンタジーみたいな感じかと漠然と思った。 「それぞれ相性と特徴があるの。炎は攻撃力と除去能力が高い水属性に弱い。水は回復や守りが高い地に弱い。地は攻防に優れ風に弱い。風はドローが得意で色々と変わった面白いカードがある。炎に弱い。光はサーヴァントを集めるのが得意で魔に弱い。魔は嫌らしいカードが多いわ。光に弱い。例えば光と魔のデッキが戦えばノーガードで殴り合うみたいな感じになるの」  ゲームに不慣れな光は、とりあえず言われたことを暗記しようとした。ゲームなのに学校の勉強みたいだ。 「とりあえず、やってみようよ。TCGは習うより慣れろよ」 「うん」  難しそうで少し不安だった。 「まずね」  桜宮はテーブルに紙のシートを二枚広げた。  光の前に置かれたのは、天使が描かれた輝いたシートであった。桜宮の前には黒い悪魔が描かれてシートが置かれた。どちらのシートにも十字の斜線が描かれている。
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