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「まずドローして、手札を置いてみてね」 「うん」  言われた通りに、カードを一枚ドローして手札を広げた。手札のサーヴァントには暴走するサラマンダーが二枚、気まぐれなシルフが一枚。大空のイーグルが一枚。ファイヤーのマギが一枚。そして今ドローしたカードが魔法解除が一枚であった。それをオープンする。 「まぁまぁの手札ね。まず召喚から教えるわね。わたしは水と風のデッキで相手をするから」 「コストって言ってたけど、コストってどこにあるの?」  光の疑問であった。 「ごめん。言い忘れてた。肝心なことだったのに……ジェネラルは最初からコストになるソウルポイントを20持ってるの」 「20か……」 「これがこのゲームの面白いところなんだけど、プレイヤーはお互いにコストプールが同数で、自分の好きなタイミングで使用できる。他のゲームだとコストを用意するカードがあったり召喚に条件があったりするけど、サンクチュアリクロスでは自由なわけ。一気に展開してもいいし、慎重にカードを配置してもいい。戦略のパターンがプレイヤーの数だけあるの! 手札が腐ることが少ないのがいいのよ!」 「ふーん……」  言われて考えてみる。暴走するサラマンダーのコストは3であった。 「こういうことかな? ソウルポイント3消費して暴走するサラマンダーを召喚。ソウルポイントは残り17」  光は十字の先端に暴走するサラマンダーを配置した。 「その通り! これが召喚よ! 処理も間違ってない!」  桜宮はデジタル式のカウンターをいじった。お互いにライフとソウルポイントが表示されている。ライフは5000で光のソウルポイントは17で桜宮は20であった。 「それでここからどうしたらいいの?」 「まず、これがマイフェイズって言うタイミングなの。このタイミングで召喚やマギを配置するわけ。光君のデッキは、速攻向けに組んだから一気に展開していいわよ」 「わかった。じゃあ、さらに暴走するサラマンダーと気まぐれなシルフを召喚!」  暴走するサラマンダーのコストは3で気まぐれなシルフは2である。ソウルポイントが12まで減ったが桜宮に言われた通りに展開してみた。  暴走するサラマンダーの攻撃力は2000で、気まぐれなシルフの攻撃力は800である。コスト1の開きに、こんな差があるのかと思った。
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