8人が本棚に入れています
本棚に追加
/246ページ
友達はみんなゲームをしていて、何故僕だけゲームはダメなんだと思っていた。
ただ、友達の家でゲームをさせてもらったことは何度かある。
だが経験不足のため、なかなか思うようにゲームのキャラクターを操ることはできない。ゲームの話になると一人だけ浮いてしまうのが悩みだった。
しかし。
「やった! 終わった!」
今日の最後の授業が終わった。しかも、明日は土曜日である。ゲームを買いにいくにはうってつけの日である。
普段は大人しい光が声を出したことにクラスメイトが寄ってくる。
「光、今日はなんか嬉しそうだな」
光は大人しく優しい性格をしている。まわりは勉強の虫と思っている。巻き毛で、女の子に間違えられそうな顔つきで、クラスメイトはみんな光を無害な奴と知っていた。草食系男子と言われたら、多分当たっている。光は生まれついてから攻撃的になれない男子という認識をクラスメイトたちは持っていた。
「実はさー」
光はゲームを買う許可を貰ったと、集まってきた友人たちに話した。
「よかったじゃねぇか!」
「これで光も遊べるな」
クラスメイトたちは、口々に言う。
「それで、ゲームはなにを買うか決めてるのか?」
クラスメイトの一人が質問した。
最初のコメントを投稿しよう!