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「本当!? 」  立ち上がる。 「う、うん……」  桜宮のリアクションに少し驚く。 「良かった~」  安心したように息をついた。  夜中まで光のためにデッキを組んでいたのだ。無駄にならなくて嬉しい。 「じゃあ光君! 早速光君のデッキを組まないと!」 「え~と、いくらくらいかかるかな?」 「組むデッキによるかな~安いのなら5000円くらい。でもね、一日で自分の理想のデッキを組むのは無理。そんなにカードが集まらないから」 「え~と安くて……5000円か」 「余ってるカードならあげるよ。まず、これ」  光は魔力解除を四枚受けとる。 「いいの?」 「魔力解除ぐらいなら、いいよ。デッキにほぼ必須のカードだし。刷りまくってるカードだから気にしないで」 「ありがとう。自分のデッキか~」  まったく浮かばない。確かに桜宮とゲームするならデッキ必要だ。 「光君……」  桜宮は間を置いた。  光はなにごとかと黙る。 「わたしはね、マイデッキって作品だと思ってる」 「作品?」 「マイデッキは自分のやりたいことを映す鏡で、その人間が現れる鏡みたいな作品」
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