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「そ、そんなに深いんだ?」
そういえば、とり憑かれたようにカードゲームをしている同級生がいる。
「ゲームって一筋縄にいかないから面白いの」
なるほどと納得する。
「でも、カードがわからないからデッキが浮かばない。普通のデッキならいくらくらいかかるの?」
「普通なら8000円くらいかかるかな。光君の予算はいくら?」
桜宮は光の答えに目を丸くする。
「10万円……光君の家ってお金持ちなの?」
「いや、普通の家なんだけど……」
長くて説明が面倒だったが、お金を受け取った経緯を桜宮に話した。
「学校で許可が出たって言ってたもんね」
「お金を全部使い切る気はないけど、デッキは組みたいな」
桜宮は頷く。
「そうね。それがいいよ。一日で理想のデッキは組めないって言ったよね。カードが集まらないから。カードを覚えてから揃えればいいんじゃない」
「わかった。それで、最初はなにを買えばいいかな?」
桜宮の目がキラッと輝いた。
「最初に買うカード! それはソウルカード!」
と、勢いよく断言した。
「そ、ソウルカード? そんなカードあるの?」
「いや、わたし語なんだけど、最初は直感で好きになってずっと付き合ってく相棒みたいなカード」
わ、わたし語……
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