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「そう言えば、桜宮さんのソウルカードってなに?」
「マーメイド!」
即座に断言する。
「そ、そう……人魚だよね?」
その勢いに驚く。
「わたしさー子供の頃に人魚姫の話を聞いて泣いちゃったのよね」
「へぇ」
あれは確か悲劇だったなと光は思い出した。
「ソウルカードってそういうことから出るから、光君も自分の好きな物から考えるといいかも」
「うん」
ファンタジーの知識はアニメや漫画だ。ゲームはしたことがないが、勇者や騎士や魔法使いはわかる。
それからしばらく、光はカード棚を桜宮と一緒に眺める。
次第に口数が少なくなる。
「ソウルカードを決めたら、わたしが相性のいいカードを教えてあげるから」
「ありがとう」
ゴブリンもいればサムライや忍者もいるようだ。こういうカードは好きな人は好きなのかなーと思いながら、棚を見続ける。
桜宮さんはマーメイドか……僕が好きな物って……
考えてみる。漫画が浮かんだ。
ゲームができないぶん、漫画はかなり読んだ。
「うーん……」
思えば好きな物ってひとつじゃない。さらにそこから選ぶのは難儀である。
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