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 それから光は部屋に戻って、学校でクラスメイトから貰ったゲーム雑誌を読んだ。  やりたいソフトからハードを選べる、贅沢な状況だ。今までスマホのソシャゲすら禁止にされていたのに、いきなり状況がかわった。ゲームのタイトルに目移りする。 「光!」  再び母親の声がした。返事を返し、階段を降りる。 「友達から電話よ。桜宮さんだって」 「桜宮さん?」  光は何事かと思った。  友達ならスマホに電話してくるし、今までろくに話したことがない桜宮が電話をしてきたことにとまどった。家の据え置きの受話器を取るのも久しぶりな感覚であった。 「もしもし」  とりあえず、確認する。 「あ、光君?」 「うん。そうだけど、どうしたの?」 「ごめんね、いきなり電話して。光君のクラスの友達から、連絡網貸してもらって電話したんだけど」 「うん。それでなにか用?」 「実はさ今日の放課後に、悪かったけど光君の話を立ち聞きしてたんだ」  そう言えば、クラスメイトが桜宮のことを言っていた。 「うん。それはいいんだけど」 「それで、光君って、今までゲーム買ってもらえなかったんでしょ?」 「うん……」  まったく話が見えない。 「わたしさー光君に紹介したいゲームがあるの」 「え?」  いきなりであった。女の子からのゲームの紹介。生まれて初めてである。 「明日、買いにいくんだよね。私の紹介するゲームを見てくれない? できたら一緒にそのゲームで遊びたい」
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