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四国が、日本政府に独立宣言をし、『志国』を名乗ってから早七年。
あらゆる港、空港は閉鎖され、志国との往来手段は瀬戸大橋のみとなっていた。
ここでは王政が布かれ、王は本来日本には存在しない名字「愛媛一族」を名乗って志国に君臨していた。
とはいえ、愛媛一族の人望は厚く、本人達の意思というよりは寧ろ国民に持ち上げられた形であったため、誰もその存在に異論を唱える者もいなかった。
王として祀り立てられている、というよりは神輿として担ぎ上げられている愛媛冬師(53)、冬師の妻であり王女の地位にある夏樹(54)には、息子の春馬(27)と娘の小秋(24)という二人の子供がいた。
そしてそれぞれが、王子様、お姫様として、やはり崇められる存在だった。
因みに愛媛の元の名字は「田中」であり、住んでいるのは、高知県であることは、ここだけの話である。
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