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「ばぁちゃんには、見えるの?」
「あぁ。そろそろ迎えが来るんかもしれん」
「まさか……。そんなに元気なのに」
「散りざまは何でも呆気ないもんじゃ。……それに、一寸先は闇って言葉もあるくらいだ。明日には、どうなってることやら」
「……まぁ、一理あるけどさ。でも、ばぁちゃんには まだ迎え来ないと思う」
祖母は大きなため息を吐き出し、湯気の昇る茶飲みを口にした。
「……ワシばかり生きて申し訳ない」
「そんなことないって。ばぁちゃんが居るから、みんながこの家に集まるんだよ。御先祖様たちも。……俺は、子供の頃から盆と正月が好きだったよ。ばぁちゃん家に行くの楽しみだった。……もちろん、今もね」
「貴史……」
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